500-TXの誕生
現在も人気のヘルメットメーカーBELLですが、元々は四輪車のパーツを製造しているメーカーでした。
当時の時代というのは、ヘルメットはレースをする際に保護するための部品であり、街乗りの際につけるようなものではありませんでした。
また、当時のヘルメット事情敵にヘルメットの色は白しかなく、レースの時にペイントされるというのが一般的でした。
さらに当時は吊り天井というライナー構造を採用するメーカーがほとんどでした。
そんな時に他のメーカーとの違いを出す狙いからポリウレタンライナー構造を使用して500という製品を開発しました。
500は500-TXのプロトタイプであり、ここで500-TXの元祖が誕生しています。
初期500-TX
初期で販売されていた500-TXは通常銀BELLと呼ばれています。
名前の500はモーターレースのINDY500からとり、TXとはTOPTEXというヘルメットのライナー開発をしていた会社が由来となっています。
販売期間は1962年から1964年で、銀ベルと呼ばれるようになった背景には、ブランドでガールが銀色だったことが挙げられます。
丸々としたフォルムは、昔ながらのバイクのヘルメットのフォルムを感じます。
この銀ベル以前の製品には水張りのデカールのヘルメットなどもありました。
銀ベルの仕様の特徴として、ボタンとDリングのダブルストラップ仕様になってるところも特徴的です。
500-TXの最終モデル
500-TXの最終モデルが製造・販売されていたのが1968年から1970年の間です。
500-TXといえば、アメリカで初めてのバイク用ヘルメットという歴史的意義を持ったアイテムであるとともにフォルムについても評価されています。
500-TXは工業デザイン製品の中でも芸術的なフォルムを持っていると評価され、1962年にはニューヨーク近代美術館にも展示されたことがあるほどです。
初期のモデルと最終モデルでは若干の違いも出てきています。
銀ベル時代はブランドデカールが銀でしたが、最終モデルになるどブランドデカールは城になりました。
また後頭部にはBELL 500-TXのステッカーがつくようになり、この仕様は後続モデルに引き継がれました。
500-TXの復刻
もう製造が行われていない500-TXですが、500-TXをモチーフに当時の姿と現在の技術を活用して再現したモデルが登場しました。
その復刻モデルというのが「500-TXJ」です。
500-TXJを作るうえで、当時のビンテージヘルメットの雰囲気を再現しながら安全性などを保障するSG規格をクリアするというものが求められました。
120回を超える衝撃試験を繰り返し500-TXJが誕生しています。
細部へのこだわりも強く、フロントについているメーカーロゴも当時のデザインを忠実再現しています。
当時の姿を忠実にしながらも、製造技術を詰め込んだ500-TXJはビンテージ系のバイクとの最適の相性のヘルメットです。